年齢差別の崩壊
オレがまだ高校生だった頃
フォーク同好会には
大勢の後輩がいた
最初は
ギターに触れたこともない連中を
バカにした気持ちで接していたオレがいたのは
れっきとした事実だった
それがいつの間にか
愛おしく
かけがえのない存在へと変わっていった
その経験は
家庭を持つ時のビジョンに影響を与えた
そのひとつは
『どうせ子どもを持つなら
始めからある程度話せる子がいい』
だった
「天才バカボン」のはじめちゃんじゃあるまいし
生まれた瞬間から言葉を話せる子なんて
かなり現実離れをしていたが
フォーク同好会のメンバーと話してわかったのは
言葉をかわすことで
相手と分かり合える収穫の大きさだった
年下の連中をバカにしていたオレは
年下の連中にこそたくさんの
たくさんの可能性があることを知ると同時に
年齢差別の愚かさを噛み締めた